使者の黙示録
団司がシスター・マヤから手を離そうとしたときだった。


「ん?」


シスター・マヤの右手のひらに、紫斑が浮き出ているのを

団司の目が逃すことなく捉える。

再び彼女の手をとった団司は、その袖をまくる。

シスター・マヤの腕を見れば、血管にそって湿疹が連なっている。


(これは…)


団司は、彼女の足元に移動すると

「ごめんよ」と言いながら、裾をめくった。

足にも手と同じように、小さな湿疹が血管にそって赤い線をつくっている。


「……」


ラドレア病である。

いま、シスター・マヤは発病した状態にあるのだった。

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