使者の黙示録
団司は、シスター・マヤ自身が、どうしてこんな所にいるのか理解していないことを

呆然としている彼女の様子から察する。

いまの彼女は、頭のなかが真っ白になっているに違いない。


「アーケードを歩いてると、そのオチビちゃんがぶつかってきてね」

「シスター・メグが?」

「オチビちゃんに案内されてここへ来ると、君が倒れていたんだ」


団司の話が、シスター・マヤの記憶を徐々に蘇らせる。


(私は、確か…)


お使いの途中で、気分の悪さが限界に達し

人目を避けるように、この場所に来たところまでの記憶が、ゆっくりと浮かび上がってくる。

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