使者の黙示録

・報告

翌日の昼さがり――

教団の事務所の電話が、呼び出し音を響かせる。

マザー・アミコが受話器をとる。


「はい、ユリアナ教団です」

「野瀬です」


マザー・アミコの口元が、ニヤリと微笑む。

だが、野瀬の言葉は彼女の期待に反するものだった。


「申し訳ありませんが、これ以上の調査は続行不可能な事態に…」


意外だった。

裏社会において、ほしい情報を確実に提供してくれる野瀬の評判は、すこぶる高く

マザー・アミコは、野瀬が調査に失敗するとは考えたこともなかった。


(何があったというのか?)


非常に気になる。

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