使者の黙示録
ルゼにしか認識できない「うす紫の雨」が降っているのは、この街だけではなかった。

テレビの生中継で放送される全国各地の様子を見ても

やはり、この街と同じことが起きているのをルゼは感じる。

日本だけでなく、世界のあらゆる国々のいたる場所で

ふつうの人には感知できない奇異な現象が、時を同じくして始まり

それは、いまも続いているのだ。


明らかに、何かが世界的規模で起こる予兆である。

思い当たることは、ひとつ。


(やはり、はじまってしまうのか…)


使者の黙示録が、ルゼの頭をよぎる。

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