使者の黙示録
◇破滅の刻

・破壊の王

ズドンッ!


突然、礼拝堂の床が大きく沈む。

不意をつく異変は、それで終わらない。

激しい縦揺れが彼女たちを襲う。

シスター・マヤは床にしゃがむと、メグをギュッと抱きしめる。


後ろにいるマザー・ミドリの方へ目を向けると

彼女は最初の巨大な揺れで転び、頭を打って気絶している。


(マ、マザ…)


自分の意識まで、どこかに飛ばされてしまいそうな強烈な振動に

シスター・マヤは、声を出すことすらかなわない。


単なる地震とは思えない、この激しい揺れは

シスター・マヤの身体の芯まで、恐怖を伝えてくる。

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