使者の黙示録
シスター・マヤが口に出そうとする想いは、すべて涙となって流てゆく。

彼女は団司の胸に顔をうずめ、声にならない想いをひたすら涙でぶつけようとする。


そんなシスター・マヤを見たルゼは、彼女にかける言葉を見つけられず

メグの手を握ったまま、ただ見守ることしかできない。


(神よ…これも、シスターがのり越えなければならない試練だというのか)


団司は団司で、シスター・マヤにひと言つぶやくのが精一杯だった。


「シスター…」


団司はシスター・マヤの悲しみを、すべて受け止めるように

彼女を優しく抱きしめた。

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