やがて団司が足を止めると

そこには、長さ10センチほどの鉄筋が、瓦礫から飛び出していた。

その太さは、人の親指ぐらいはあるだろうか。


団司はその鉄筋を、コンッと軽く蹴る。

すると鉄筋は、いとも簡単に「ポキッ」と折れて地面に転がってゆく。


親指ほどの太さがある鉄の棒が、軽く蹴っただけで折れるとは考えられない。


「使者よ、これはいったい…」

「鉄もコンクリートも、何もかもが脆(もろ)くなっているんだよ」


そうでなければ、凄絶な震災に襲われたとはいえ

すべての建造物が、こんなにも容易く崩壊することはないだろう。