使者の黙示録
ボディーガードの男たちは

ここまでの団司と少女たちのやりとりを、なにもせずに黙って見ていた。


いや、傍目から見れば、そのように映るのだが

少女たちを守る立場にある彼らは

見ず知らずの男に、少女たちと話をさせたり

また、ジュースを手渡しで与えることなど絶対に許さない。


ビニール袋からジュースをとり出した団司に対して、彼らが敵意を抱いた瞬間に

団司から彼らに向かって返ってきたのは

信じられないほどの凄絶な威圧感だった。


彼らは、まるで全身が金縛りにかかったように硬直した状態で

その威圧感と戦っていたのだ。

< 84 / 357 >

この作品をシェア

pagetop