使者の黙示録
(不思議な人…)


団司を見て、そう思うシスター・マヤは

アーケードを通る人々の流れのなかに、その身をあずけて行く。


少女たちの姿が見えなくなるまで、その背中を見届けていた団司は

自分と少女たちの運命の歯車が、ガッチリと噛み合ったことを確信する。


(やっぱり、あの子たちが『ユリアナ教団の美少女』だったか)


ほぼ毎日、このアーケードの通りを何度も行き来している団司だが

それなのに、お使いの用事に出向くシスターに1度も会ったことがなかったのは

奇妙といえば奇妙なことである。

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