さあ、俺と秘密をはじめよう
星名の白い肌に傷をつけた・・・あの古典の禿野郎・・・許すまじ!!と俺は完全に切れていた。
(普通女の子にそんなことをするだろうか?ありえねーだろ)
しかも、星名はそれをいつも受けていたんだ、平然とただ誰にも言えずに。
それはどんなにつらく、心苦しかったんだろうか。
きっと、泣きたくても泣けなかったんだろう。
ずっと堪えてて我慢していたに違いない。
だから、星名はそれを歌にして貯めこんでいたものを吐き出していたんだ。
俺はもう知っていたんだ。いつもここから歌声が聞こえていたことを。
『お前は1人じゃないんだ』いつかに陟さんが言っていた言葉が脳裏に甦った。
気付けば星名を抱きしめその言葉を口にしていた。
「ありがとう・・・」
それはとても小さな声だったけどちゃんと俺の耳に届いていた。
俺は決めたんだ。
(星名を守る!!)
そうと決まれば、まずは―――。