さあ、俺と秘密をはじめよう


急に抱きしめられ、気がつけば2時限目の終わりのチャイムが鳴って・・・


黒崎君は何か意を決したように急に立ち上がって私の手を引いた。


「よし!行こう」

「え?」


(ど、どこに!?)


主語を言って下さい!黒崎君とは言えず、私は手を引かれるまま屋上を後にした。



廊下で注目を浴びる私たち。そんな中で黒崎君は平然として歩いている。




こんな地味な私が男の子と手をつなぎながら歩いているなんて・・・どう考えても夢ではないのか?と思ってしまう。

ましてや、その相手は黒崎君だ。


黒崎君ははっきり言って綺麗で可愛い。

(多分、この学園の人気者なんじゃないのか?)

よく告白とかされてそうだ。


自分がモテてることを鼻には欠けてないし、性格だっていいし・・・彼女とかいそうだなとふと思ってしまった。



(あうう・・・注目されてる・・・視線がかなり痛い・・・)


どうか早くこの場所から去りたい。

そんな考えで必死な自分に黒崎君は急に足をとめ、どんと私は背中にぶつかった。


「大丈夫か?」

「うん・・・」

「着いたよ」

(え?・・・ここって・・・)

ついた場所は黒崎君のクラス1-Cだった。

勢いよく黒崎君はドアを開け、手を引かれながら中に入る。












< 127 / 221 >

この作品をシェア

pagetop