さあ、俺と秘密をはじめよう
急に抱きしめられ、気がつけば2時限目の終わりのチャイムが鳴って・・・
黒崎君は何か意を決したように急に立ち上がって私の手を引いた。
「よし!行こう」
「え?」
(ど、どこに!?)
主語を言って下さい!黒崎君とは言えず、私は手を引かれるまま屋上を後にした。
廊下で注目を浴びる私たち。そんな中で黒崎君は平然として歩いている。
こんな地味な私が男の子と手をつなぎながら歩いているなんて・・・どう考えても夢ではないのか?と思ってしまう。
ましてや、その相手は黒崎君だ。
黒崎君ははっきり言って綺麗で可愛い。
(多分、この学園の人気者なんじゃないのか?)
よく告白とかされてそうだ。
自分がモテてることを鼻には欠けてないし、性格だっていいし・・・彼女とかいそうだなとふと思ってしまった。
(あうう・・・注目されてる・・・視線がかなり痛い・・・)
どうか早くこの場所から去りたい。
そんな考えで必死な自分に黒崎君は急に足をとめ、どんと私は背中にぶつかった。
「大丈夫か?」
「うん・・・」
「着いたよ」
(え?・・・ここって・・・)
ついた場所は黒崎君のクラス1-Cだった。
勢いよく黒崎君はドアを開け、手を引かれながら中に入る。