さあ、俺と秘密をはじめよう



俺たち音楽科は楽しいことが大好き。無論、人をからかうこととかも。

おまけにいうなら情報化とマスコミ科の次に情報通なのが音楽科ともいえる。


「悪りーな、星名こういうやつらで」

俺は頭を掻きながら、星名に謝った。

星名は苦笑し、「ううん、半分でも私のためって言われて嬉しい」と言った。


「でも、基本的いいやつらだし・・・えっと・・・」

「ふふ・・・いいの。楽しいことが好きなんでしょ?」

「……」

見抜かれてた。

「顔にそう書いてあるもの」

『黒崎君以外ね』とボソッと言われた。




ククッと俺は小さく笑い、星名に微笑みかけた。

星名の頬が軽く赤く染まった気がしたけど気のせいか。


お互い顔を見合わせ微笑んだ。

この時の空気や雰囲気は心地よくて嫌いじゃなかった。

「あ、そうだ、これ返しておく。俺が持ってて悪かったな…」

俺は星名の手のひらにヘアゴムを置く。


「あ、ううん」

星名はヘアゴムをぎゅっと握りながら、首を横に振った。


< 153 / 221 >

この作品をシェア

pagetop