空しか、見えない

第11話

 のぞむから連絡が来たのは、翌日のうちだった。
 厳密に言うと、もうじき日を跨ごうというぎりぎりの時刻だった。

「新聞、笑えたよ。懐かしかった」

 みんなへのメールに、再刊した〈サセの新聞〉を添付してあった。

「読んでくれたんだ」

 シャワーを浴びたての、濡れた頭をタオルで拭う。のぞむから連絡があるような気がして着替えもせずに待っていたのに、結局この時間になった。のぞむを待つのは、もう飽き飽きだよね、と自分に言い聞かせようとしても、声は弾んでしまう。
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