蜜色オフィス


そこから宮坂のお説教が続く事15分。


ため息をついた宮坂は、最後に「これだけは言っておくけど」って話題を変えた。
さっきまでとは違う、真剣な顔に気付いて、胸がドキって跳ね上がる。


「早川は気付いてるだろうけど、俺は嫉妬深いし、一度手に入れたら執着する性質だから」
「……うん」
「手を出してからこんな事言うのもフェアじゃないけど……、もう、離してやれないと思う」
「……うん」


オレンジ色の間接照明が、宮坂の真剣な顔を柔らかく照らす。
静かな部屋に、ドキドキうるさい私の心臓の音が響いちゃうんじゃないかって心配していると、宮坂の手が私の手を握った。


「だから悪いけど」


そんな風に前置きした宮坂が、わずかに微笑む。


「ずっと俺の傍にいて欲しい」
「……うん」


告白にしては、随分重たすぎる。
まるでプロポーズでも受けた気分だし。

でも。
宮坂らしく思えて、自然と笑顔になってた。



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