守るべきもの
第一章
私は、腕時計を見た。


針が7時10分を指していた。


息を切らしながら待ち合わせ場所へと急ぐ。


(あ!修ちゃん)


修ちゃんは、少しイライラしているように見えた。


仕方ない。2週間ぶりに会うのに、遅刻したのだから。


「ごめんね。」


手を合わて謝った。


「こないだ約束したよな!? 5分遅れたら、メールか電話するって。それを決めたのは、沙依(さえ)だろ? 今、何分だ?」


「7時14分。本当にごめんね。」


「ここで、キスしてくれたら許すよ。」


「無理だよ。人がいっぱいいるし。」


「大丈夫だよ。誰も見てないって。」


修ちゃんは、私の腕を掴んで引き寄せた。軽いキスをして、私達は見つめあった。そして、少し長いキス。


私は、押さえきれない気がして、修ちゃんを押し返した。


「ご飯食べに行こ!」


私は、修ちゃんの手を取った。

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