守るべきもの
第四章
修平と大橋は、再び“クリーン矢代”の前に立っていた。


扉を叩くと小太りの中年男性が出てきた。


(この男じゃないな。)

「何か?」


修平は警察手帳を見せた。


「帝都中央病院の掃除を請け負っていた時期がありましたね。」


「あぁ、契約解除されてから、ガタガタでね。辞めちまったよ。」


「じゃ今は営業されてないんですね?」


「あぁ。で何なの?」


大橋は、サングラスの男の写真を見せた。


「この男わかりませんか?」


小太りの男は、写真をちらっと見て「知らねぇな。」と答えた。


「従業員の履歴書とかありますか?」


「あるんじゃねぇかな。」


小太りの男は奥に入って行った。


「ほらよ。」


ファイルを差し出した。

「ありがとうございます。」


「そういえば…」


「なんです?」


小太りの男は、ファイルをペラペラめくった。


「あぁ、こいつだ。帝都中央病院の先生に惚れちまってよ。でも、振られたらしくてさ。あん時の怒りようったら、おっかなかったよ。」


履歴書の写真を見た。サングラスの男だろうか?

男の名前は“寺島 学”とあった。
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