彼と彼女と彼の事情


そう……


あれは、今から半年前のことだった。


ザァーザァーと雨が降りしきるR246(青山通り)を隼人の運転するアルファロメオで走行中、


ハンドルを握ったままの隼人から突然「別れてほしい」と、別れ話を切り出された。


「――…えっ?今、なんて?」


耳を疑った。


何かの聞き間違え?


3年も付き合っていた隼人から思いも寄らぬことを言われたものだから。


私の心はなかなか追い付かなくて……。 


いつの間にか、取り乱していた。 



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