牛乳と猫スーツ。
3…友と寮。



「席につきなさ〜い。」と、ドアが開くと同時に聞こえる。入って来たのは少し小柄で、ウェーブのかかった黒髪、淡い青色の瞳の女性。





「このクラスの担任になりました〜、佐々木氷(ささき こおり)で〜す。こーちゃんって呼んでくださいね〜。」




かなりフレンドリーな先生だ。






自己紹介や明日の連絡事項も終わり、今日は終了。






帰ろうとすると、男子生徒に呼び止められた。






「なぁ、直樹だよな?俺のこと覚えてねぇ?」





金髪のツンツンヘアーの男。





「もしかして、悠斗(ゆうと)?」




直樹は彼を知っていた。





彼は大原悠斗(おおはらゆうと)。



小学校の一年ときに初めて出会った。「乳は好きか?」初めて彼が言ったことだ。牛乳のことかと思い、大好きだと答えて互いに満面の笑みで握手した。






たが彼の言う乳とは牛乳とは違い、そのままの意味だった。







スカートめくりが一部の男子の流行だったころ。




彼はただ1人、女子の胸を触っていた。初めて目の前で見たときは流石に引いたが「直樹も好きだろ〜?」と笑顔で言い、周囲から直樹も同類と思われた。







しかし1ヶ月もすると彼の行動にも慣れ、唯一彼を止められる者となっていた。






五年生なったときに、親の急な転勤で離れた学校に転校してそれっきりだった。
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