わかれあげまん
噂のオンナ




「…で?どうだったの?」


大学の学食でテーブルに肘を付き、横目で見やりながらニヤリ笑ってたずねてくるひとりの茶髪ロングヘアの美女の前で、柚は再起不能に突っ伏していた。


「憧れの渡良瀬先輩との甘い一夜のご感想は?」


「…」


のろのろと顔を上げた柚の顔はありえない恐ろしいことになっていた。


「げっ、ちょっと柚ってば。何泣いてんの?……鼻水まで垂れ流してぇ」


「ひどい……美也子」


柚はヒックヒックとしゃくりあげながら、目の前の茶髪美人を睨んだ。


元々かなりのベビイフェイスな柚は、この美女よかずっと年下に見えるが、二人はこの大学の同級生だ。


「他人事だと思って面白がってぇ。」


美也子と呼ばれた美女はフーっと溜息をついて肩を竦めた。

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