「待って、もう、会場に戻らないといけないでしょ?」

比奈子がずんずんと先へと進む俺に、手を引かれ小走りで走りながら喚く。

「潤ってば。
こんなところを誰かに見られたら……」

ピタリと足を止めて振り返る。

「見られたら…?…何だよ。
この話が消えて無くなるとでも?」

彼女を睨み付けながら言う。

自分でもぞっとするほどの冷たい声が出る。

…許せない。
先ほどのとろける様な彼女の目を思い出す。
あんな風に俺以外の男を見つめるなんて。




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