イケメン御曹司の秘密の誘惑

そっと彼女に近付き真上から見下ろす。

赤いドレスの裾が広がり薔薇の花の様だ。

美しく艶やかでありながら、鋭いトゲを隠し持つ…。
比奈子はそんな女だ。

男なら誰もが素通り出来ない。
罠にかけられた俺など、抵抗しても所詮無駄なのだ。


「比奈子」

静かに声をかけると彼女がそっと顔を上げた。

俺を見上げて驚いた顔をする。

「…潤…」

彼女の全身がカタカタと震えている。
俺はスーツの上着を脱ぐと、そっとその細い肩にかけてやった。




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