はなこさんのみせ〔完〕
盲目
私は担任のヤマダに今日も職員室に呼び出しを食らった。

もう耳にタコができるほど聞かされた例の話のことだ――


「この時期に白紙で提出したのはお前だけだぞ」


そう言って、ひらりと目の前に置かれたプリント。

これで、こんなもので、私の将来が決まる。


「進学か?」

「別に……興味ありません」

「なら、就職か?」

「やりたい仕事が、分かりません」

「お前なあ……もう周りの奴らは――」

ああ、またヤマダの長話。

言われなくても分かっているんだってば。

私が馬鹿っぽいからだろうなあ。


考えて、考えて、考えすぎて、もう、わからなくなってきちゃった。

私はいつでも中途半端で、きっとこれからもずっとそうだろう。


誰か私の将来決めちゃってよ。

だけど、誰の指図も受けたくないし。

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