運命のヒト

運命



初めて服を脱いで触れたシロの肌は、驚くほど熱かった。


数日ぶりにシロが戻ったマンション。
あたしの部屋の、小さなベッド。

あたしたちは当たり前のように、ごく自然に、この場所にたどり着いた。


「……美園」

シロがあたしの名前を大切そうに呼ぶ。

閉じたまぶたに触れるシロの唇。温かくて涙が出そうになった。

人間は目をつむっていても泣けるんだ、とあたしは初めて知った。


シロの唇がまぶたから頬、あごの先へと移動していき、やがて唇の横にたどり着く。

緊張で微かにこわばるあたしを安心させるように、シロは両手であたしの頬をやさしく包みこみ――

そして、ふたつの唇が重なった。

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