恋の魔法と甘い罠
魔法と罠




「おっそーい!」



部屋に戻るなり、悠亜さんに大音量で叫ばれた言葉。


そのあとには、



「何で連絡しないの!? 心配するでしょ!?」



掴みかかるような勢いでそう言われたけれど、その通りだから「ごめんなさい」と謝ることしかできなくて。



「それで? どこにいっていたの? ていうか! また飲んだんでしょ!?」



真っ赤になったあたしの頬を両手でぎゅーっと挟みながら、後半は問い詰めるように訊いてきた。



「はい。ごめんなさい……」



ぼそぼそと呟くようにそう言うあたしに、悠亜さんは大きく息を吐く。



「で? 誰と飲んでたって?」


「……和泉さん、です」


「はあ!?」



大きく目を見開きながらそう言った悠亜さんは、今度はほんとに掴みかかってきた。
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