家に帰ると、ちょうど眠るとこだったらしい母と鉢合わせた。


「おかえり、ご飯は?」

「いい」


目も合わせず答えたあたしに、


「いつになったら、きちんと就職するんだか…」

と、おなじみの母の小言が始まる。


あたしは、聞こえないふりをして階段を登りきり、静かに部屋のドアを閉じた。


階下から、わざと母が乱暴にリビングのドアを閉める音を、倒れ込んだベッドの上で聞いた。

この作品のキーワード
片思い  失恋  切ない  元カレ  大人  純文学 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。