セックス·フレンド【完結】
「彼女とは、仲直りできたの?」


さり気なく、あたしは隆也に探りを入れた。


「仲直りもなにも。あれからエッチはしてない。ただ、普通に暮らしてるだけ」


「なんだ。倦怠期ってやつか」


あたしは、さも、興味なさそうに装う。


あまり深く突っ込めば、隆也があたしに警戒心を抱くかもしれない。


それだけは避けたかった。


「倦怠期とは違うさ。会話もほとんどないしね。付き合ってる意味なんかまるで感じられないよ」


愚痴っぽく彼がこぼすのを聞いて、あたしは思う。


でも、別れないんでしょう?


セックスもなし、会話もなし。それでも別れないのは、彼女を愛しているからなんでしょう?
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