セックス·フレンド【完結】
西村君のことは少しだけ気になった。


明日も一緒にバイトに入るわけだし、気に障るようなことをしたなら謝らなければいけない。


電話をかけようか、それともメールをしようか。


考えたけど、やはり、やめた。


西村君は、この後デートだと言っていた。


女の子といるときに連絡するのはまずいだろう。


それにしても、いい加減、西村君も彼女をつくればいいのに。


西村君には、今日来たイチゴちゃんみたいな子が似合う。


控えめで、大人しそうな子。


ああいう、守ってあげたくなるような女の子が、彼には似合いそうだ。


遊び慣れた女の子や、気の強い子はむかない。


もしも西村君に恋人ができたら、あたしは、きっぱりと彼から離れていかなければ。


そう考えたら、少しだけ寂しい気持ちになったけれど、でもそれは、仲良しの弟やイトコに恋人ができてしまったような、多分、そんな間隔に過ぎなかった。
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