squall
「俺でよかったら。よろしく」
「…ん。こちらこそ。私でよかったら」


高1の夏。
学祭直前、だったと思う。


「はっ?カレシ!?」
「んー。もうすぐ学祭だし。なんか一応、告られたし」


隣のクラスだった人に、生まれて初めての告白をされて。


「ふぅーん…。で。佐野は?もういいんだ」


佳世はこの時、私がただ、それに舞い上がってたことに気づいていたんだろう。


「あぁ…。っていうか、いつまでもうじうじ想ってたってしょうがないし」
「しょうがない…」
「忘れるには、新しい恋っていうし?」
「新しい恋、ねぇ~…」
「…なに?」
「なにが?」
「なんか、その言い方…」
「別に。萌がいいなら、いんじゃない?ただ。ほんとに新しい恋になんのかなぁって思っただけ」
「……………」


それに対して、私は言葉を返せなかったのを覚えてる。


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