囚われジョーカー【完】

━truth━




カズヤさんが言った「作戦会議」という言葉を復唱すれば、ニヤリと笑われた。


それに眉根を寄せれば、また微笑を浮かべられて流される。カズヤさんは私が座っていたソファーに座り、麻乃さんの肩を抱き寄せた。




少し頬を赤らめた麻乃さんは、バシリとカズヤさんの太腿を叩いていた。



「じゃあまず、菫ちゃんの為に種明かしをしようか。」

「…、」

「社長息子はこの通り双子。でも次期社長は一人でその一人っていうのは、俺。」



コクリ、頷いた私にカズヤさんはにっこりと微笑み視線を私の上にある顔へ向ける。









「名前くらい、名乗ってやれば?春海。」

「…お前が言ってんじゃねえか。」



斜め上、三浦さんの顔を見上げた私に降りてきた視線は少し複雑な色を孕ませていた。



そして、ぼそり。



「三浦、春海。」

「ハルカ―――?」

「春の海って書いて、春海。」




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