空耳此方-ソラミミコナタ-
朋恵は爽やかに笑い、振り返った。

「ありがとう。
おかげで一つ事件が解決したわ。
せっかくだから、名前を聞かせてもらえるかしら?」

【屋代言乃です】

「あ、俺は日奈山炯斗です!」

「アンタには聞いてない」

炯斗が項垂れようとした時、言乃が大慌てで炯斗の肩を叩いた。

【えぇっ!貴方は宇佐目さんじゃなかったんですか!?】

「嘘!まだ言ってなかった?
違ぇよ!?俺、トシオじゃない」

【待ってください、トシオさんが宇佐目さん?
じゃあ直泰って誰です?】

「…もう誰でもいいわよ」


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