空耳此方-ソラミミコナタ-
炯斗はそのまま続ける。

「三件目も同じ。
一瞬驚くだろうけど、光を通るのはやっぱり一瞬。そのまま通り抜けられるはずだ。
そして宇佐目トシオの『狙われた』って話が手付かずだ」

言乃は少しの間炯斗を見つめ、拍手をしだした。
だが炯斗は少しも嬉しそうにせず、切り札を出す。

「そして、これは関係無いかもしれないけど。ことのん、喋れないっていうのは―――


―――嘘だな?」



カシャン…と音をたて、言乃の手から携帯が滑り落ちた。


< 65 / 374 >

この作品をシェア

pagetop