何度忘れようとしても
CHAPTER Ⅳ
耳元で鳴り響くベルの音で私は目を覚ました。

片腕をのばし目覚まし時計を止めるともう一度、布団の中にゴソゴソと腕をしまう。

もう少しさっきまでいた幸福な夢の後味を楽しんでいたかった。
その内容は思い出そうとしても断片的にしか思い出せない。
でも、たしかに夢の中で私は孝昭と幸せな気持ちで寄り添っていた。

憂鬱な月曜の朝という現実になかなか起き出せないでいた。
もう少し、こうやって孝昭の事だけを考えていたかった。

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