Never-ending story
第一章『 the moon labyrinth』
空は青く、白い雲が無数に広がり、燃えるような火のような赤くオレンジ掛かった色が地面を照らす。
暗緑の丘が広がっている丘、レンガ調の古い町並みが広がる。
路地裏の小さな店が並んで、ガーデンロードを歩いていた。
雨の前触れのような冷たくて寒い空気が流れて来た。
そう言えば、午後は確率は低いですが、雨が降るかもしれないと予報していたような気がする。
傘は持って来ていないので、諦めて雨宿りをすることにした。
古びたアンティーク調のドア、レンガと土壁の匂いがする小さな建物のドアを開けると、チリンチリンと鈴の音色が響く。
甘い香りが漂い温かい空気が敷き詰められていて、雑貨屋とカフェを融合したような雑然とした店だった。
丸い形のフラスコの中には、液体の雫が落ちて湯気を立てているし、レンガ調の暖炉の中は温かい火が燃えているし、床や机や椅子からは木の香りが強く香った。
少し高さのあるハイテーブルと丸椅子のコーナーはバーのようなイメージで奥にはカフェと雑貨が融合したスペースがあった。
棚には、アクセサリーコーナー、洋服、鞄、ポーチ、財布、レターセット、羽ペン、アンティークなドアや出窓…と雑然と商品が並べられていた。
古びた時計から錆付いた金色の小鳥が現れて、「只今の時間は午後、2時アフタヌーンティーの時間です。お茶とお菓子をどうぞ」と言っている。
けれど、店主は不在のようで、誰もいない。
暖炉の前でコートを乾かす為に暖炉の前に立っていたら、奥からチリーンと鈴の音が響いた。
コツ、コツ、コツ、という足音が近づいて来る。
裏のドアが開いて、買い物袋を抱えて人が入って来たが、寒そうにも雨にも当たっていないようだ。
もう、止んだのかな…
入って来たドアと窓の方へ視線を移した。
外は相変わらず、灰色の雲が広がって、窓は白く曇るし、外の空気は寒そうだし、雨音は激しくなっていた。
そして、振り返ると、黒いスーツとベスト、白いシャツを着ていて、髪は長く色白、買い物袋を抱えた人がこっちに来ていた。
暖炉の傍のハイテーブルと丸椅子のミニキッチンの中へ入って行き、買い物袋を置いた。
「少し、買出しに行ってました。いらっしゃいませ」と律儀な挨拶をして、椅子を持って来てコートをかけるように言ったので、コートをかけて乾かすことにした。
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