大人的恋愛事情
囁き
 
「おっ、佐野。今日はどっちと?」



「佐野さん。今度、俺とも昼食べましょうよ」



「てか、そんなにいい?」



「ね、確かに美人だけど……」



「そうよね、歳は隠せてないよね」



別に隠してないわよっ!



そもそも、社内メールで何度も何度も歳が書かれてるじゃない。



今さら隠すもなにも……。



というより、どうして私がこんな目に?



もはやどの声も、聞こえないふりでエレベーターを降りて、正面出入り口まで行く。
< 154 / 630 >

この作品をシェア

pagetop