マイティガード
リトル・レッド


+ + +


アネリには、ルロイからきつく定められたいくつかのルールがあった。


例えば、たった一人での外出の禁止。これは危険回避のためだ。

また門限は夕方5時厳守。屋敷の中だろうと、別荘だろうと。
広い野外よりは閉鎖的な室内のほうがずっと安全と踏んでのことだ。



だからこの日、アネリは午前7時になるより前にパーシバルただ一人を連れて、森を抜けた町の市場へ出掛けて行った。

門限ギリギリまでたっぷり遊ぶために。



財布などの貴重品を詰めたショルダーバッグを肩にかけ、この辺りの地図やパンフレットを時々眺めて、深い森の中で唯一舗装された煉瓦の道を進んでいく。


「今日はどこ行こうかしら。
小さい頃から何度も探検してるのに、なかなか全部のお店回りきれないのよね。」


「この土地は広いですからね。
店は百貨店から出店まで含めると、とても地図には載らないでしょうね。」


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