あの子の好きな子
◆−久保遥香の場合−




私の好きな人は篠田悠一先生です。



「篠田先生?なんか理科にしか興味なさそう」
「篠田はつまんないけど、適当だから授業は楽」
「篠田先生?なんていうか、とぼけた変人」

篠田先生の評判はこんな感じ、私の篠田先生の第一印象もこんな感じ。それでも私は篠田先生ののんびりした雰囲気がなんとなく好きで、もともとお気に入りの先生だった。たくさん質問をしに行っているうちに、それが楽しみになって、私の毎日の中に、先生がなくてはならないものになっていった。




       久保遥香の場合






< 82 / 197 >

この作品をシェア

pagetop