幸運の小さいおじさん

大学には一応行ったが友人も出来ず、楽しいわけがない。

「大学を卒業して、大企業に就職できるのか?こんな不景気なのに。」

某有名大学でもあるが、肩書きばかり気にする連中の会話もうざい。

そう思うと、何もかもに嫌気が差してくるもんだ。
僕は学ぶ意義でさえ、将来の目標さえも見失った。

いつしか大学にも通わなくなり、今や、引きこもり生活。


大学に行かなくなり部屋に籠もる様になった僕に、

「せっかく頑張って入学した大学なんだから行きなさい」

と母親は躍起になっていた。

以前は、自分でも今の状況を打破しなければいけないと思った。

少しは外の空気を、と散歩やコンビニに行く事もあった。

だけど、それさえも無くなって。
現在では食事とトイレと風呂以外、部屋から出る事はなくなった。

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