【完】キミがいた夏〜Four years later〜
side 綾香
**side 綾香**
美鈴がカーテンの奥に消えてしまった後、私たちはそれ以上そこに居座る訳にもいかず
複雑な気持ちを残しながらも、その日はそこを後にした
渚の言った通り、美鈴の雰囲気は驚くほど変わっていた
もともと色白で美人なタイプではあったけれど
それは清楚なイメージだった
けれど今は、職業のせいだろうか
派手なメイクに、カールした栗色の長い髪
人目を惹く美人ではあるけれど、私の知っている美鈴とは程遠い雰囲気をしていた
そして私達を拒否するように向けられる瞳
小学校のころから一緒だった美鈴が、一度だってあんな瞳を私に向けたことがあっただろうか?
そしてもう一つ気になること
それはもちろん渚のこと
美鈴は渚のことを、もうなんとも思っていないの?
本当に『いい思い出』なの?
それなら…
それなら私はもう遠慮はしない
ねえ?
美鈴、いいんだよね?