あくまで天使です。
プロローグという名の悪夢


天使というものは背中に翼が生えて、やさしい笑顔を四六時中浮かべ温厚に救いの手を差し伸べてくれるものかと思っていた。


いつか自分死んだとき、そんなイケてる天使様が天の界へと連れて行ってくれるのかと。


死に行った母もそう言ってたし。


「お母さんね………天使様と一緒に空の上に行くから………だからね。悲しまないで?ナギサもいつかは空の上に行って、お母さんと会えるから………」


直後、母はそう言ってこときれた。


残念ながら舞い降りた天使は見えなかったが、きっと母には見えたのだろう。


私もいつかは見るのか、と思うとわき出る好奇心と死とはどのようなものか気になった。


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