着物の裾がびしょびしょになってしまい、逃げるように雪男から離れて縁側から中へ入ると主さまの部屋の隣の自室に入り、急いで襖を閉めた。


「ど、どきどきしちゃった…」


やけに色っぽかった。

元々人型の妖の中でも群を抜いて綺麗な男だったが、あんな風に迫られると…


「着替えよっかな…」


箪笥をがさごそとまさぐっていると、隣の部屋からかすれた声がした。


「…息吹」


「あ、主さま…起こしちゃった?騒がしくてごめんなさい」


「ちょっとこっちに来い」


想いを告白し合ってからさらに主さまを意識するようになってしまった息吹は、大きく深呼吸をして少しだけ襖を開けて中を覗き込んだ。


「何か用事?」


「用がなければ呼んだら駄目か?いいから来い」


欠伸をしてむくりと起き上がった主さまは息吹の足元が濡れているのに気づき、髪を結ぶと手招きをして隣に座らせた。


「どうして濡れている」


「あ、えっと、雪ちゃんとお花に水をあげてたらかかっちゃったの。…大丈夫だよ、言ってないからっ」


「…貸せ、俺が拭いてやる」


息吹の手から手拭いを強奪すると右の足首を持ち上げ、息吹が真っ赤になりながら裾を割って見えてしまった太股を手で隠した。


「主さまの助平!」


「な、なに!?拭いてやろうと思っただけだろうが!」


「痛い痛い!主さまっ、痛いよ!」


互いに顔をかっかとさせながら畳を拭くようにごしごしと擦るとすぐに息吹の白い脚が真っ赤になってしまい、手からぽろりと手拭いが落ちた。


「す、すまん」


「ううん、私こそ助平って言っちゃってごめんなさい。…でも助平なのは本当だもん。あ、あちこち触るし…」


「…惚れた女に触りたいと思うのはおかしいことか?…息吹」


「え…、きゃ…っ」


――主さまがまだ濡れていた脚の甲に顔を寄せ…ぺろりと舐めた。

その感触に驚き、動けなくなった息吹が硬直していると、主さまが顔を上げて耳元でぼそりと囁いた。



「早く美味くなれ。お前が熟した時に…食う」


「く、食うって…どうゆう意味…?」


「そういう意味だ」



宣言。

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