“時空屋”。


両親はそんな仕事をしていた。


――オーパーツ。

その時代には存在しない未来的な工芸品…

それがある日時空の間に落ちてしまい、時代が狂う。

年表通りのことが起きなくなり、時代が変わってしまう。


両親はそんなオーパーツを時代を遡って回収し、正しい歴史が紡がれるようにいつも時空の旅をしていた。


そんな両親も、今は――…


「桃―、何回言わせればわかるのー!?」


階下で長女の桜の怒った声が聞こえて、桃は慌ててベッドから起きあがった。


「やばっ、こんな時間!」


慌ててリビングに駆け込むと、そこには家族全員がすでに集合していて食卓についていた。


長女の桜

次女の小梅

三女の苺

四女の蜜柑

そして五女の桃。


末っ子の桃が17歳で、あとはみんな年子。

揃いも揃ってかしましい女所帯。


「はい、お祈りしてからご飯ね。お父さんお母さん、今日も私たち姉妹は5人で協力し合って頑張ります!」


仕切り屋の桜が手を合わせて言うと、5人はそれに倣い、パンをかじりだした。


「あら、ネックレスつけてないじゃない。駄目よ、お母さんたちの形見なんだから」


四女の蜜柑に指摘されて、桃は自分の首に手をあててそれがないことに気がついた。


――両親は居ない。もうずっと会っていない。

それはまだ桃が10歳の時だった。


遺されたのは、両親が身につけていた『時空を飛べるネックレス』。
トップには金色に輝く大きな石がついていた。


大きな石を欠片にして姉妹で分けて、肌身離さず身につけている。

割ったせいかもう時空を飛ぶことはできない。
というよりも、彼女たち全員は飛ぶ方法を知らなかった。


だが、オーパーツが過去の世界に紛れ込んだ時、
その石が輝いたのを見たことがある。
両親はそういった時急いで支度をして、居なくなった。


「形見なんだから外すんじゃないわよ」


「んー、わかった!学校行って来るね!」


――桃は急いで制服に着替え、ネックレスをつけて家を後にした。


「…?」


肌に触れた石が、熱くなったような気がした。

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