バニラ
Vanilla2*キスしてもいい?*
その翌日。

大学にきているあたしは講義を受けていた。

机のうえで開いているノートには特に何も書いていない。

ただボケーッと、何となく先生の話を聞き流していた。

あーあ、つまんないなあ。

それを口に出して呟こうとしたその時、机のうえに置いていた携帯電話が震え出した。

ディスプレイには、“東雲恭吾”の文字があった。

今朝ホテルを出る時、彼とアドレスを交換したことを思い出した。

――またシたくなったらかけていいから

…まさか言った本人からくるとはと思いながら、あたしは携帯電話に手を伸ばした。
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