「そんなものをどうするのだ?」

ハクちゃんの涙(涙だと思うんだよね。あの状況だと)を拾い集めていると、不思議そうに聞いてきた。
首を右に少し傾けて言うその姿……!
ああ、なんてかわゆいんでしょう。

普通の人間同士の夫婦とかとは、私達は全く違う。
ハクちゃんとは‘うふふ‘‘あはは‘的恋愛物語は成立しないわけだし。
お互いを思いやり、大切にして一緒に生活……生きていく関係かな?
私はこっちの世界で人間男性と恋愛する可能性は無い……と思う。
26年間彼氏無しなのは、私自身の恋愛感情の未発達が問題だった気がする。
姉妹しかいないせいか、基本的に男性は苦手。
だから私から異性に近寄ることは、必要以外しなかった。
別に彼氏が居なくたって、不便は無かった。
出かけるのだって女友達がいるし、ドライブや旅行は一人で気ままにするのが好きだった。
でも。
友人達にどんどん彼氏ができて、遊んでもらえなくなって。
中には結婚する子までいて。
そうなってくるとさすがに……焦った。
恋愛はともかく、結婚はしないとって。
いつまでも恋人の一人もできない私に、お母さんが心配し始めて。

「……」

私は自分と親のために、安岡さんを利用したんだ。
だから結婚がこんな形で駄目になって……ほっとしている私って、最低かも。

「ハクちゃんの涙、とっても綺麗だから貰っていいかな?」

5ミリ程のそれを、1粒1粒拾い集めた。
意識をハクちゃんから反らしながら。
頭の中を勝手に読んだりしないのは、分かってるけど。
感情の波は自然と伝わってしまうみたいだったから。

「涙? それがか? 我も初めて出したから確信は無いが、違うと思うぞ」

何をおっしゃいますか! 
私の感動を壊す気?

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