四竜帝の大陸【青の大陸編】
「どうしたの?」
「足音が雑だ。侍女とは思えぬ。しかも複数で駆けてくる」

侍女さんじゃないの? 
女性ならトイレの事が聞きやすかったんだけど。
複数って……何人か来ちゃうのかな。
1人で充分なんだだけど。

「男……が三人。女が二人」

私の耳にも足音が聞こえた。
部屋のすぐ側まで来たってことだよね?
数秒後、音を立てて開かれた扉から飛び込むように入ってきたから驚いた。

え?
ノックなしなの?

意外に乱暴なのね、この国は。
あれ?
なんか知ってる顔が!

『何故、生きている?……<監視者>?』

先頭で入ってきたのは、昨夜のイケメン君ではありませんか!
他の人達は……あ、美少女もいる。
金髪だったんだ。
眼は紫だ。
綺麗~。
おじ様二人と、やたら色気のある熟女は初顔。
なんか、迫力あるメンバーです。

女性が2人いるから、トイレの使用方法をきこう! 
ハクちゃんに通訳してもらって……。

「な、なになに?」

全員が片膝をつき、頭を下げた。
どうなってんの?
ハクちゃんは私に訊ねた。

「りこ。こやつ等に何を望む?責任を取らせるが良い。我はりこの望みの結末を用意する」

もう!
望みとか責任とか……そんなことより!

「早くトイレの使い方を聞いてっ!!」

怒鳴ってしまった。
だって……とうとう限界間近になっちゃったんだもの!

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