打倒パニック障害!!パート2~妊娠編~
御懐妊
2008年10月
生理がほんの少し遅れた段階で、妻はソワソワして、
「できとるかも…どうなんやか?」
と、落ち着かない様子。
「もう、はっきりさせたい!」
と、ソワソワはイライラへと変わり、妊娠検査薬を手にトイレへ。
私は内心、
「まだ検査するのは早いのでは…。」
と思いつつも、ドキドキしながら、妻がトイレから戻って来るのを待った。
「なんか微妙に反応が出とる…。」
と言いながら微妙な反応の妻を見て、私も微妙な感じだった。
説明書には微妙な反応でも、反応が出れば陽性だと書いているので、できている事は間違いなかった。
しかし反応が微妙なだけに、私達は半信半疑でこれまた微妙な感じだった。

とりあえず産婦人科に行く事にし、まだ病院は決めていなかったが、精神科もあるS大学病院に行くことにした。

10月22日、S大学病院へ。
大学病院だからなのか、産婦人科の区画にも関わらず、可愛らしさや華やかさの欠片もなく、壁は青塗りでどんよりとした雰囲気だった。
しかも人は少ないのに待ち時間は長い。
そしてエコー。
何か小さなゴマ粒が映っていた。

紛れもなくそのゴマ粒は赤ちゃんなのですが、その時はまだ実感がわかなかった。
ゴマ粒みたいだったので、とりあえず『ゴマちゃん』と命名。
この時、4周目だった。

この頃、課題が一つあった。
それは病院(精神科)探しだ。
パート1で、最高の病院に巡り会えたと書いたが、その病院というのが、結婚する前の妻の地元の病院だった。
結婚して私の地元に来たので、病院から離れてしまった。
距離は約70キロ、時間で言うと高速を使って約50分くらいの場所にあった。
それまでは、月に一回の診療で良かったので、普通に私の地元から通っていたが、子どもができたとなると、そうはいかなかった。

何かあった時、すぐに対処出来るように、病院は近くにあった方が良いという事で、近くで精神科を探さなくてはいけなくなった。

S大学病院には、精神科も産婦人科もあるし、大学病院だけあって、料金が格安。
精神科は妊娠中のみお世話になって、出産後は元の病院に戻す予定だったので、私は単純に、S大学病院にお世話になろうと考えていた………あのとんでもない事件が起こるまでは……。
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