【完】 After Love~恋のおとしまえ~

「さっき、友里ちゃんは『サトシは全然褒めてくれない』って言っていたけどさ。あいつ、俺の前では友里ちゃんのことベタ褒めだよ。『俺にはもったいないくらいの子だ』って言っているよ、いつも」

「え……」

意外な事実にぽかんと口を開けてしまった私を、谷本先生はニコニコ見つめて。

「最後に、さらにもう一つ暴露。あいつ、職場の机の引き出しに友里ちゃんの写真を入れていてさ。たまに取り出しては、眺めているんだよ」

「……!」

サトシと私の関係は、私の方がずっとサトシのことを好きなのだろうと思っていたけれど。

もしかしたら、私が思っているより、サトシも私のことを好きでいてくれているのかもしれない。

「ラブラブだな」

谷本先生がからかってきたとき

「おまたせしました」

ウェイトレスが注文した料理を持ってきたけど――

トマトとルッコラのサラダも、マグロのカルパッチョも、シーフードリゾットも、胸がいっぱいで食べられそうになかった。

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