白緑蝶"ever since【続】

涙リング

ホテルは、真夜中だというのに
いつものようにコンシエルジュ
(総合世話係)が丁寧に対応
してくれて、難なく泊まれ

最高級のクリスマスディナーが
ルームサービスで運ばれてくる

窓の外、黙ったまま夜景を
見つめるソラに私は問いかけた

「ねえ、ソラ

 今夜のルームサービス
 テーブルのままじゃ
 ないね

 クリスマスだからかな?」

そう、いつもはガラガラと
運んできたテーブルをそのまま
置いていく。

それなのに、今夜は部屋にある
テーブルにテーブルクロスが
ひかれ

今、ここで料理があるべき場所
にセッティングされていく。

「ああ

 特別な日だから
 お願いしたよ」

ここは、ホテルの一室など
ではなく極上レストランに
変わる。
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