苦く甘い恋をする。
「どっ……どうしましたっ!?」


慌てて飛んできてくれた警備さんに、長谷川くんはいけしゃあしゃあと言い放った。


「すみません。ちょっとした痴話ゲンカで」


「……は?」


そのあまりに杜撰な言い訳に、唖然とした。


……痴話ゲンカ?


……アンタ、これを、痴話ゲンカで片付けようとしているの? 


……冗談でしょ!?


警備さんも、鳩が豆鉄砲食らったような顔で、私を見ている。
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