苦く甘い恋をする。
「えっ? そんなにも出張長いの!?
……って。
あぁ――っ!?」


つい思わずそんなことを口走り、私は両手で自分の口を覆った。


信じられない、私。


何でそんなこと言っちゃったんだろう!?


「今のっ……今の……無しです……」


口に手をあてたまま、もごもごとしゃべり、きょときょと目を動かす私を見つめ、長谷川くんは甘い瞳を落として言った。


「会えない時間も、俺はずっとおまえのことを考えてるよ」
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