苦く甘い恋をする。
ふんっ、見てろよ、長谷川征。


あんたの言葉なんかことごとく無視して、今まで以上に遊んでやるから。


会社の男だと何かと危ないっていうなら、見ず知らずの男と遊んでやる。


アンタの言う事なんか、ひとっつも聞いてやらないんだから!!


ふんっ!と、もうひとつ大きく鼻を鳴らして、私は大学時代の男友達にメールを送った。


『金曜、空いてる? 合コンしようよ』


長谷川くんのムカつく顔を思い出し、私はスマホをグッと握りしめた。


私だって、いつかきっと、本物の恋を見つけてやるんだから。
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